都教委糾弾ビラ「『オリ・パラ読本』のフェイク記載裁判で釈明要求!」

皆さま

 こんにちは。増田です。超長文、ご容赦を!


 月末恒例の東京都学校ユニオンビラまきを、以下の内容で昨日、行いました。巷ではマラソン・コースの発表ニュースでもちきりですが、都教委は事務局として、山口香委員の「やってほしくないんだよ、オリンピックなん…そういう意見もきちんと言えるような感じで(オリンピック教育をやら)なければいけない」というご意見を生かさなきゃいけない立場なんですけどね…


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<都教委作成、『オリ・パラ読本』のフェイク記載についての裁判で

 「都教委を訴える会」(共同代表:高嶋伸欣琉球大学名誉教授他)から、釈明要求!(5月11日付)>



1 五輪憲章に於ける規定文言について

⑴被告の教育委員会(以下「都教委」という)は、その編集作成した小学校編『オリンピック・パラリンピック学習読本』(以下、「本件読本」という)において、「オリンピック・パラリンピックでは、開会式で選手たちが自国の国旗を先頭に行進します」などと断定的に表現した記述をなした。



⑵ これは、読者である児童に、「オリンピック・パラリンピックの選手団は「国旗」でのみ、また、「国旗のもとに」行進すると認識させるものである。



⑶しかし、五輪憲章(IOC憲章)では、「選手団が開会式等で掲げる旗」は、「選手団を派遣するNOCが大会組織委員会に申請し、承認されて登録した選手団の旗(NOC旗)」とされているのであって、「国旗」を意味する規定文言は存在していない。



⑷ 【求釈明1】

@五輪憲章に於ける上記規定の事実について、被告はこれを認識しているのか否か、明らかにされたい。



2 今次の五輪大会である平昌冬期五輪大会に於ける事実に関連して

今年2月に開催された平昌冬季五輪においては、韓国と朝鮮人民民主主義共和国(北朝鮮)の選手団は「コリア選手団」として、「国旗」ではなく「統一旗」を先頭に開会式場を行進した。



⑵上記事実は、日本社会の記憶に新しいところであり、かつ現に認識されているところであるのであるが、これは、「国旗」とは一切関係ない旗が、当該選手団・グループによって自主的に採用され、申請承認され、登録された結果である。何ら、IOC理事会が五輪憲章に則って「国旗以外の旗の使用を例外的に許可した」などとは報じられていない。また、そもそもそのような決定がなされた事実は存在していない。



⑶ これが、五輪大会に於いて、「旗」について現に行われている厳然たる事実である。

  にもかかわらず、都教委作成の本件『読本』64頁には、「オリンピック・パラリンピックでは、開会式で選手たちが自国の国旗を先頭に行進します」と断定した記述を掲載している。これは、児童・生徒や保護者などに「国旗以外の旗が使われることはない」と認識させ、この観念を固着させる記述である。



⑸ 【求釈明 2】
被告は、この記載が、五輪憲章に則って現に開催されている五輪競技大会の現実とは乖離しているという事実を認めるか。



◎都教委の回答が楽しみですね! 

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<都教委よ! 都教育委員の声をオリンピック教育に生かせ!>



☆一人の都教育委員が定例会で「オリンピック教育」に対し、たいへん真っ当な意見を出しています!


 以下は、2018年1月25日に行われた都教委第2回定例会の議事録に載っている山口香委員(柔道家・筑波大学教授)の意見です。



「今 2020年が近いので、スポーツの力が過信されているというか、何かスポーツで全てが解決されるみたいに、そういう雰囲気があるところもあって、嫌いということも言えないというか、俺はやってほしくないんだよ、オリンピックなんて というのも あってしかるべきなんですね。そういう意見もきちんと言えるような感じでなければいけないと思うんです。」



 都教委は、都下の公立小中高校に対し年間35時間も『オリンピック・パラリンピック教育』のために授業しなければならないと強制しています。しかも、優に1億円を超える税金を使って都教委が作成し、子どもたちに配布している『オリンピック・パラリンピック読本』は、ほぼ、オリンピック礼賛・日本スゴイッ!?ばかりと言っていい状態です。



例えば「日本人の心」と称して「集団における秩序や調和を…重んじる」(小学校編P55)と勝手に「日本人の心」を決定してしまっています。

 

 これでは、オリンピックに対して「俺はやってほしくないんだよ」と「そういう意見もきちんと言えるような感じ」、多様な意見、批判的な意見は出してはいけないことになってしまいます。それでは「「集団における秩序や調和を」軽んじることになり、都教委から「日本人の心」を持ってない!? と責められそう…。



 しかし「都教委」と普通いわれている機関は、都教育委員たちが会議で決めたことを実施する「事務局」にすぎません。山口委員の意見を尊重し「俺はやってほしくないんだよ」という意見が出るようなオリンピック教育ができるように各学校に山口委員の意見を紹介するべきです! 




☆有森裕子さんの言葉(久米宏の「ラジオなんですけど」2017.6.17放送)なども学校で紹介して考えさせたら?

「今のオリンピックの考え方、物言い、進め方はあまりにも傲慢で、社会の感覚とずれている。本当は『社会ファースト』であるべきだ…『元々は東日本大震災からの復興という思いからオリンピックを招致したのに、ふたを開けてみたら全然違うものになっていました。今はどこみているんだろう? 2020年に何をやろうとしているだろう? という不安を感じます』」