7・23「日の丸・君が代」問題等全国交流集会での増田報告

 
皆さま

 こんにちは。増田都子です。超長文になりますが、ご容赦を!

本日は未明の大雨でこれまでの狂暑が…友人から「狂暑お見舞い」と手紙が来まして、納得(笑)…和らぎ、暑さに弱い私はホッとしています。

 件名報告は以下です。レジュメ・補足資料を見たいと思われる方は個人メールをください! 添付します。

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 こんにちは。増田です。「実教出版教科書・五輪読本問題に関し、違法、不当な東京都教育委員会を訴える会」(略称・都教委を訴える会)の事務局を担っている東京都学校ユニオンの代表として報告させていただきます。年表になっている私のレジュメB―1をご覧ください。

 「1997年から本年2017年までを7分で報告する」という我ながら離れ業をやろうとしていますので、早口になりますが、ご容赦ください。
 
 私は2006年3月31日に「公務員不適格」として慎太郎配下の都教委に分限免職された社会科教員です。約33年間、教員をしていました。そんなに長く「公務員不適格者」を教壇に立たせておいて何が不適格だったか、というと「扶桑社教科書は…今は育鵬社教科書ですが…侵略戦争を『アジア解放の戦争』とする歴史偽造教科書です」と真実を教えたことが原因でした。が、これを話すと長くなりますので、受付の所に置いた増田報告の補足資料にある、ガバン・マコーマックさんの『属国』という本の増田部分をお読みください。
 
 攻撃の始まりは、1997年…「新しい歴史教科書をつくる会」と「日本会議」ができた年で…足立12中の私の教え子が卒業式の「国歌斉唱」で不起立をしたことからでした。この年の4月に異動した足立16中の地理の授業で沖縄普天間基地問題を教え、右翼保護者・右翼都議・産経新聞から「反米偏向教育」と攻撃され、産経には実名まで出されました。
 
 この時の都教委の委員には青島都政時代に任命された弁護士の鍛冶千鶴子さんなどもおられ、まだ、良識の最後の一線は残っていて「増田の授業は直ちに指導要領違反とは言えない」と足立区教委を指導していたくらいでした。ところが、私の当時の所属組合だった全教・都教組足立支部は、なんと、私の方を『偏向教育をした』と明記したビラを足立区中に配りまくって、私に対して後ろから鉄砲を撃ってきたような体たらくでした。
 
 ここで大成功した右翼都議・産経・都教委の三位一体の平和・民主教育への攻撃と弾圧は日増しに強まり、ついに2003年の10・23通達まで行ってしまうのです。私は足立16中事件が「東京の教育における『茶色の朝』の始まり」だったのではないかと考えています。
 
 そして、2012年には、文科省検定済教科書であるにもかかわらず、実教出版の高校日本史教科書は「国旗・国歌を強制している自治体がある」という記述があることで産経新聞に攻撃され、都教委は電話で学校に圧力をかけて選定させず、採択がゼロになりました。これが報道されて抗議が声がいろいろなところで上がりました。都教委は反省するどころか、裏で…これは補足の情報公開資料で明らかになったんですが…2013年度は早くから取り組んで堂々と…都教委なりにですが…やろうと目論んでいたんでした。
 
 で、2013年は6月27日の定例会で、一人の委員の意見表明もなく「都立高校で使用することは適切ではない」などと決議し各学校に通知したのです。ところが、審議中、教育委員長は「各教育委員の意見を踏まえ」といったんです、誰も意見なんか出していないのに…
 
 レジュメの四角で囲ったところは情報公開と私たちの裁判の取り組みの中で明らかになったものですが、なんと5月初めには、HPで「定例会はやりません」と告示しながら、コッソリと全委員を集めて秘密会を行い、6月初めにはもう「採択しない」と決定してレジュメにあるように文科省とメールでやり取りをしていたのです。で、6月13日の定例会後の傍聴者がいなくなった秘密懇談会で委員たちは意見を出し合ったらしいのです。そして8月の「正式」採択でゼロとなり、さまざまな抗議や集会や抗議署名の提出等がありました。
 
 私は、てっきり、有名な「子どもと教科書全国ネット21」とか、執筆者とか、実教出版労組とか裁判闘争もなさるだろうと思い込んでいたんですけど、全く、そんな動きが無かったのです。それで、このままだと何もなかったのと同じになる、という危機感から、広く市民に呼びかけ「実教出版教科書問題に関し、違法、不当な東京都教育委員会を訴える会」を立ち上げ、お話しいただきました高嶋先生と早稲田大学名誉教授で国労闘争団の弁護団長などもなさった佐藤昭夫先生に共同代表になっていただき…佐藤先生は本当に残念なことに、今年1月亡くなられたのですが…裁判闘争をしました。
 
 予想はしていましたが、私たちはなんといっても直接に不利益を被った被害者ではありませんから、それを理由に今の裁判官たちは内容には入らず、却下です。そういう中で、実教出版は、レジュメにありますように都教委が問題にした箇所と横浜市教委・神奈川県教委が問題にした箇所を削除し、最高裁が10・23通達を「違憲とは言えない」としたことまで理由に挙げました。この判決は「違憲ではない」とはいってますけど、「強制ではない」とはいっていない…「強制」は文科省ですら認めているところで…ということすら否定した完全屈服です。正義が不正に負け、都教委は大満足して「『強制』記述を削除した実教教科書は普通に選定していいよ」といいました。
 
 ところが、驚愕した事には、レジュメにある通り「「子どもと教科書全国ネット21ニュース」10月号で元都高教副委員長の鈴木敏夫さんは「都教委は実教教科書の採択妨害を断念した」と堂々と主張されているのです。目が点です。しかも、この会員は全国にたくさんいらっしゃると思うのですけど、これに反論された方が全くいらっしゃらないようなのです。これでは、右翼たちの事実改竄や偽造を批判できないのではないでしょうか。私たちは、どんなに都合の悪いことでも事実は事実として直視すべきではないでしょうか。
 
 さて、都教委は、2016年3月31日に1億6285万円強の費用をかけて、小・中・高校生用のオリ・パラ学習読本・DVD・教師用指導書を都内全校に…私立学校にもです…配布しました。これには、これでもか、と「国旗・国歌」が出てきます。小学校用65頁には「表彰式の国旗けいようでは、国歌が流されます。」という記述もあります。オリンピック憲章には「NOC…各地のオリンピック委員会です…が採用する旗・歌」としか規定されていません。明らかなフェイク記述です。
 
 そこで、私たちは会の名前を「実教出版教科書・五輪読本問題に関し、違法、不当な東京都教育委員会を訴える会」と改称し、この5月29日に東京地裁に提訴して闘うことにしました。
 皆さん! フェイクでなく、真実の教育を! 真の主権者教育を追及しましょう!
 
 最後に「都教委を訴える会」は年会費千円ですので、ぜひ、ご入会ください! なお、補足資料について説明の欲しい方は会場で私を捕まえてください。


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 実は「都教委を訴える会」は年会費千円ですので、財政難です。ご入会はもちろん、カンパも大歓迎です! お志を分けていただける方は以下にお振込みを!


郵便振替/加入者名 「都教委を訴える会」 口座番号 00220−5−51543