■1 誰が教育を破壊しているのだろう?
    はじめに(このたたかいの意味)


Q1 増田先生って、どんな先生?

A1 いつもハツラツとして明るく歯切れの良いフツーのおばさん(?)です。
 授業を「知的格闘技」と称して、毎時間生徒と一緒になって真剣勝負で取り組みます。教材研究に熱意を燃やし、教養も人一倍深く広く、流行の俗な言い方ですが「授業力」抜群の優秀な先生です。
 「憲法主義者」で、生徒に真っ当な認識力を持った立派な「人格者*」に育って欲しいとの信念をもっています。
*人格者とは次のことです。「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」(教育基本法第1条)

Q2 足立十六中でも「紙上討論」授業をやったのですか。1年間を通して、生徒はどんな変化を見せましたか?

A2

 1回目は、6月にNHK「沖縄米軍基地」のビデオを見せて意見を書かせました。続いてビデオ「人間を返せ」を見せて意見を書かせました。この時のプリントは、まだ自分の意見を表現しきれない生徒が多く、B4で5枚でした。[せんせいがっばって〜!生徒との対話(1)]
 それが最終回では、B4で18枚にもなりました。それだけ生徒は自分の意見を持ち、それを表現できるように「自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民」として成長したのです。
 
 一人の生徒は次のように率直に書きました。
 「私は紙上討論をするのが初めはイヤだった。…でも紙上討論を繰り返しているうちに私の意見が変わた。…私は「正しいことは正しい、間違っていることは間違っている」と堂々と生徒に教えることの出来る増田先生の意志は素晴らしいものだと思う。増田先生、紙上討論に反発してごめんなさい。そして紙上討論をすることに賛成していた人に対しても謝りたい。この紙上討論は、決して無駄ではなかった、と私は言い切れる。」

 それに対して先生は次のようにコメントしました。
 「謝るなんてとんでもありません。あなたの『反発』のおかげで、どれだけ『紙上討論することの意味』について多くの人が考えてくれたことか。…実は私は、あなたが反対意見を書いてくれた時、『シメタ!』と思いました。民主主義社会においては『反対意見』の存在というものがいかに大切であるか、岩波ジュニア新書『君たちと現代』から、いつかぜひ紹介したいと思っていたのですが、それを受け入れるところまで意識や関心(反発は関心でもあります)が整っていないと、紹介しても素通りしてしまうので(教育用語でこれをレディネスと言います)、それができるのを待っていたのです!…」
 
 このように、「いろいろな意見を出し合い、考えあうこと」は、民主主義の本当の価値を生徒自らに実感させていったのです。1年間通して授業を受けた生徒達は知識面でも人格面でも見事に成長していきました。増田先生の紙上討論授業の素晴らしさは、足立十六中でも証明されたのです。


Q3 増田先生は、なぜ右翼から攻撃を受けるの?

A3 「憲法主義者」で、生徒への影響力も強いからです。
 右翼は、平和憲法を改悪して、自分の頭で考えることをせず、ただ上の命令に忠実な生徒を作る教育をやりたがっています。保護者の中にも人権・平和教育を敵視する右翼的な人がいます。その結びつきから右翼政治家も介入することになったのです。でも増田先生は、妥協することも信念を曲げることもしません。増田先生のモットーは「逃げない、隠さない、ごまかさない」です。

Q4 増田先生を攻撃している右翼とはどんな人たち?

A4  都議会の中に極端な右翼的言動で有名な三人の都議がいます。土屋たかゆき(板橋区選出、民主党)・古賀俊昭(日野市選出、自民党)・田代ひろし(世田谷区選出、自民党)の三人で、彼らが執拗な増田バッシングを繰り広げています。
 彼らのHPで支援者を見ると、「つくる会」教科書系・日本会議系・英霊にこたえる会・キリストの幕屋など皇国史観・教育勅語復活を目指す右翼系団体・個人ばかりが並びます。土屋なぞは「石原東京革命の尖兵」を名乗ってますが、彼らの「革命」とは子どもたちをお国の奴隷にする戦後民主教育破壊なのです。
 彼らは公務員なのに憲法尊重遵守義務(第99条)を一顧だにすることなく、平和を愛する憲法主義者増田先生を目の敵にして攻撃を仕掛けてきています。

Q5 どんな攻撃を受けているのか教えて下さい。

A5 「極右偏向三悪都議」が先頭に立って、都議会で実名をあげて執拗な個人攻撃、駅頭デマ街宣、個人情報暴露本出版など、デマ・ウソ・でっち上げ・誹謗中傷何でもありの攻撃を仕掛けてきています。
 彼らの言いなりになっている「都教委」は、なんら罪のない増田先生を処分し、いじめ懲罰研修を科し、思想改造を迫りましたが、意のままにならないので分限免職に処してしまいました。
 加えて右翼偏向メディア「産経新聞」が、社会の木鐸たる使命を忘れ事実を曲げウソを捏造する記事を一方的に垂れ流し、平和教育バッシングに血道を上げています。
 これを「右翼三位一体攻撃」と称します。
 生徒から慕われ頼りにされる先生も、右翼から見ると天皇制を否定し真の民主主義を作る子どもを育てる「危険人物」視されるのでしょう。

Q6 すごい大事な問題のようですが、増田先生ひとりで闘っているのですか?

A6  最初は一人で何でもやらなければならないから大変でした。でも、増田先生は、「私は困難が大きいほど、闘志がわいてくる」人なのです。
 これは、増田先生一人の問題ではなく、教育の自由、真実の歴史、子どもの学習権、国民の教育権、平和と民主主義に関わる大きな問題であることが、次第に理解され、支援者も増えてきました。人権と平和を支える学者・文化人・ジャーナリスト・議員・労働組合・教職員・市民・卒業生などに支援の輪が広がっています。
 [参照「私たちは増田先生を応援します!」]
 平和憲法と教育基本法は、侵略戦争による310万人の日本人の犠牲とアジア二千万人といわれる犠牲への痛切な反省から生まれました。それを次の世代にキチンと伝えていくことこそが教育に携わる者にとって最大の使命ではないでしょうか。同じ過ちを二度と繰り返さないため、犠牲者の死を犬死にしないためにも、「戦争責任」「従軍慰安婦」「南京大虐殺事件」「在日米軍問題」などの事実を直視し学び続けていく必要があります。だから、反平和勢力との闘いには絶対に負けるわけにはいきません。
 2002年から、増田先生の逆襲が始まっています。
 [詳しくは「活動報告・裁判関係書類など(準備中)」をご覧下さい]